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Vienna horn by Robert Engel

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ロベルト・エンゲルのウィンナホルン

Engel Wiener horn

Engel Vienna horn

ウィーン・フィルに特別な思い入れはなかったが、ウィンナホルンは以前から気になる存在だった。独特の音色に加え、オールドファッションのデザインも魅力的だ。ウィーン・フィルといえば、ブラームスの第2番・第3番の交響曲やブルックナーの交響曲第8番を初演し、ワーグナー、ヴェルディ、マーラー、R. シュトラウスが指揮したオーケストラであるが、その音色の秘密のひとつがウィンナホルンである。ウィーン宮廷歌劇場(現国立歌劇場)の音楽監督だったマーラーが自作の交響曲に用いたホルンのフォルティシモは、単に音量だけではなく強奏時のウィンナホルンの音色を要求していると考えるのが自然であろう。こうした作品を正統的な楽器で演奏できれば演奏者冥利に尽きるというものだ。2002年にウィンナホルンを使っている友人とブラームスの第1交響曲でステージに乗ったのがその後の私の運命を決めた(笑い)。この楽器は2003年暮れに購入した。前の所有者は留学先のウィーンで先生から購入したそうだ。伝統的かつ典型的なウィンナホルンである。ボーゲンとエンゲル3番のマウスピースが付いてきた。予備のマウスピースが欲しかったのでムースウッドコピーの製作を依頼した。ダブルホルンとウィンナホルンの二刀流が目下の課題である。

ロベルト・エンゲル (Robert Engel) は1940年頃ウィーンのフランツ・ツィシェク (Franz Zischek) に弟子入りし楽器製作を学んだ。ツィシェクの引退後その工房を引き継いだ。1980年から1990年にかけては、ウィーンの放送交響楽団のホルン奏者達との協力により、ウィンナホルンのボア形状を持つダブルホルン(F/Bb)の開発も行なっている。後継者が見つからなかったために1998年に廃業した。エンゲルの楽器は現在もオーストリアのプロ奏者達によって使用されている。

Thanks to Prof. Gregor Widholm, IWK for information.



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